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解決済みの質問

福島の原発

福島の原発のことで質問なのですが、あれの炉心は、今だに核融合を起こし続けているのですか?

地震と津波で炉心がメルトダウンし地下に落っこちてしまったわけですが、あの時に、核融合の機能はストップしたのですか?それとも、まだ、誰も視認することができない地下深くで核融合が続いているのですか?

放射能を持つ物質の数が、今後、空気中、土壌中、地下水中に、現時点以上に増えるのかどうかを知りたいです。


言葉の間違いがあったらすみません。

投稿日時 - 2015-12-22 21:23:31

QNo.9099856

困ってます

質問者が選んだベストアンサー

 福島原発の原子炉は核分裂反応炉であって、核融合反応炉ではありません。
 核分裂反応炉でも運転中は核分裂し難い物質の原子核が中性子を吸収して、中性子の数が1つ多い原子核になる反応は起きていて、これも広義には核融合反応の一種と言えなくもないのですが、これとて一般的な意味での核融合反応ではありませんし、中性子を吸収する事によって放射背物質となる場合が多いものの、放射性物質を生み出さない反応も少なくありません。
 その中性子が吸収される反応が起きるためには、中性子が必要になりますが、核分裂炉において中性子の殆どを生み出しているのは、ウランやプルトニウムなどの特に大きな原子核が、複数の大きな断片に分裂するタイプの核分裂反応です。
 放射性物質が放射線を出す反応の中でも、α線を出す反応は広義の意味では核分裂反応と見做されますが、この場合に放出されるのはヘリウム4の原子核であって、中性子ではありません。 
 それに、特に大きな原子核が複数の大きな断片に分裂するタイプの核分裂反応が起きれば、その反応後の物質として多くの場合は放射性物質が生じます。
 つまり、原子炉内部で放射性物質が生成され続けるためには、特に大きな原子核が複数の大きな断片に分裂するタイプの核分裂反応が継続して起き続けている必要があります。
 そのタイプの核分裂反応が盛んに起きるためには、そういった特に重い種類の原子核の中でも、中性子を吸収する事によって核分裂を起こす性質を備えている種類のもの(核分裂性核種)が、中性子を吸収して複数の中性子を放出し、その複数の中性子の内、少なくとも1個が他の核分裂性核種の原子核に吸収されるという、核分裂連鎖反応が継続していなければならず、そのためには炉内に中性子が存在している事が必要になります。

 原子炉には中性子の数を調節する事で、原子炉の出力を調整するための制御棒というものがあり、これはホウ素などの中性子を特に吸収しやすい物質を混ぜた材料で作られていて、何か異常事態が起きればこの制御棒が自動的に炉心内部に差し込まれる事により、原子炉内の中性子が制御棒に吸収され尽くされて無くなる事で、原子炉の連鎖核分裂反応が直ちに停止してしまう様になっています。
 そのため、メルトダウンが起きるよりもはるかに前の、地震が起きた段階で自動的に制御棒が差し込まれておりましたから、その時に原子炉内部の連鎖核分裂反応は停止してしまっております。

 中性子は、ウラン235やプルトニウム239の様な核分裂性物質や、ベリリウムの様に高エネルギーの中性子を吸収すると2個の中性子を放出する性質を持った物質に吸収されるのでもない限りは、原子炉内の物質に吸収されるたびに数が減って行き、無くなってしまいます。
 原子炉内部にはベリリウムの様な物質は極僅かしかありませんし、全ての制御棒が炉心に挿入された状態では、中性子は、ウラン235やプルトニウム239の様な核分裂性核種の原子核に衝突する前に、制御棒によって吸収されてしまうものの方が圧倒的に多くなるため、連鎖核分裂反応が起きる事はありません。

 では、メルトダウンが起きて、制御棒が差し込まれていない原子炉の底の部分に、融けた核燃料が流れ込んで集まってしまうとどうなるでしょうか?
 原子炉内の核燃料にはウランの酸化物とプルトニウムの酸化物で出来ていますが、その大半(8割以上)は核分裂を比較的起こし難いウラン238の酸化物です。
 核分裂反応の際に放出される中性子はエネルギーが高過ぎるため、原子核には比較的吸収され難く、そのままでは核分裂性核種の原子核に吸収される前に原子炉の外部に飛び出して失われてしまいます。
 そのため、(高速増殖炉や原子爆弾の様なものは別として)発電用の原子炉では水や黒鉛の様な中性子を吸収し難い物質に中性子を何度も衝突させる事で、中性子のエネルギーを減少させてから、核分裂性核種の原子核に吸収させています。
 但し、中性子のエネルギーがウラン235等の核分裂性核種が十分に吸収されやすくなるほど低くなる前の、高いエネルギーを持っている内に、核燃料の中に含まれている(核分裂を起こし難い)ウラン238の原子核が中性子を特に良く吸収する様になってしまうエネルギーの帯域が存在しているため、ウラン238とウラン235、及びプルトニウム239が混じり合った核燃料を、単純に大きな塊りにしただけでは、核分裂によって発生する中性子の大部分を、核分裂し難いウラン238が吸収し尽くしてしまうため、連鎖核分裂反応を継続させる事が出来ません。
 そのため、高速増殖炉などの特殊なものを除き、一般的な原子炉では核燃料を多数の燃料棒に分割した上で隙間を広く開けて配置し、その隙間に水や黒鉛の様な中性子を吸収し難い物質を減速材として詰めておく事で、燃料棒から飛び出した中性子が減速材を構成している物質の原子核に何度も衝突し、「ウラン238の原子核が中性子を特に良く吸収する様になってしまうエネルギーの帯域」よりも低いエネルギーになってから、ウラン235やプルトニウム239の様な核分裂性物質に吸収される様にしています。
 つまり、核燃料が融け合って大きな塊となっていたのでは、その塊の中には減速材が殆どありませんから、中性子はウラン235やプルトニウム239の様な核分裂性核種の原子核に吸収される前に、核分裂を起こし難いウラン238の原子核に吸収されるものが多くなるため、連鎖核分裂反応が起きる事はありません。
 又、メルトダウンの際に融けたのは核燃料だけではなく、制御棒の一部も核燃料と共に融けて、核燃料と制御棒を構成していた物質が混じり合っていると考えられますので、融け落ちた核燃料の中には中性子を特に吸収しやすいホウ素なども含まれている事になり、中性子はウラン235やプルトニウム239の様な核分裂性核種の原子核に吸収される前に、ホウ素によってもその殆どが吸収される事になるため、連鎖核分裂反応が起きる事はありません。

 ところで、放射性物質の原子核が放射線を出すのは、原子核が持っているエネルギーが高いためにエネルギー的に不安定である事から、放射線の形でエネルギーを放出して安定になろうとするからです。
 そして放射性物質は放射線を出すと別の種類の原子核に変わってしまうものであり、放射性物質の原子核が放射線を出す事によって新たに生じる別の種類の原子核は、元となる放射性物質の種類によって、また別の種類の放射性物質となる場合もあれば、放射能を持たない安定な物質となる場合もありますが、例え別の種類の放射性物質となる場合であっても、その放射性物質が放射線を出せば、原子核が持っているエネルギーはさらに減る事になるのですから、放射線を出す事を何回か繰り返して行けば、最後には必ずエネルギーを放出し尽くして放射能を持たない物質に変わる事になります。

 つまり、既に連鎖核分裂反応が停止している福島第一原子力発電所では、これ以上放射性物質が増える事はあり得ないのですから、既に出来てしまっている放射性物質が放射線を出す事によって量が減り続けている以上、放射性物質の総量は減少し続けていく一方であり、

>放射能を持つ物質の数が、今後、空気中、土壌中、地下水中に、現時点以上に増える

事はあり得ません。
 厳密に言いますと、原子炉の内部でウラン235やプルトニウム239が中性子を吸収した際に、その一部には核分裂を起こさずにウラン236やプルトニウム240に変わるものがあり、そうして出来たウラン236やプルトニウム240は不安定で、その一部が後になってから中性子を吸収する事無く核分裂を起こす事があります。
 この様な中性子を吸収する事無く起きる核分裂の事を自発性核分裂と言います。
 自発性核分裂を起こすのはウラン236やプルトニウム240だけではなく、ウラン238等が中性子を複数吸収する事によって生じるプルトニウム242、プルトニウム244、カリフォルニウムなども自発性核分裂を起こしますし、割合的には少ないもののウラン238も僅かながら自発性核分裂を起こします。
 とは言え、こうした自発性核分裂が起きる速度は、原子炉内の他の放射性物質が放射線を出して別の物質に変わっていく速度と比べれば非常に遅いため、自発性核分裂によって新たに生じる放射性物質の量は、原子炉内の他の放射性物質が放射線を出して減ってしまった量と比べれば微々たるものに過ぎませんので、福島原発の放射線の総量(←原子炉建屋内のものも含む)が減少し続けている事に変わりはありません。

投稿日時 - 2015-12-23 02:08:26

お礼

初歩的な言葉の間違い、お恥ずかしい限りです。

ここまで丁寧な回答を頂けるとは思っていなかったので、驚くと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。漠然とした質問だったのに、詳細に簡潔に回答して下さって本当にありがとうございました。

人間が生活していた土地の一部がまったく使い物にならなくなってしまったわけで(今後、人間の生活圏にどのような影響が出てくるのかはまだ分りませんし、実際的な影響がなかったとしても、目で見える範囲に汚染された空気、土地、水があるというのは現地の方々にしてみれば相当な苦痛でしょう)原発の事故がもたらした損害は計り知れませんが、今以上に全体の状況が悪くなることはなさそうなのでひとまず安心しました。

頂いた回答を読み返しつつ、また勉強していこうと思います。

投稿日時 - 2015-12-23 08:55:50

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回答(3)

ANo.3

>今以上に全体の状況が悪くなることはなさそうなのでひとまず安心しました

んなアホな。先に回答されたお二方は「安定した状態にある」とはおっしゃっていますが、「放射線が出ていない」とは一言もおっしゃっていません。
福島第一原発内の水位は、ほぼ安定しています。ポンプで汚染水を汲み上げていますが、安定しています。これが意味することは簡単ですね。どっかから水の補充がされているということでもあります。どこからか地下水がじゃぶじゃぶ入っているであろうことは間違いなく、その水がどっかから海に漏れているであろうことも間違いありません。そうじゃないとプラマイゼロの説明がつきません。
そこでまずはとにかく地下水が中に染み出てくるのを止めないといけないということになりまして、地面に棒を刺して、それをマイナス何百度に冷やして地面そのものを凍りつかせようという計画がされました。んで、とりあえずこれは去年か一昨年かに失敗しました。失敗した後どうするかの話がまったく聞こえてこないので今どうなっているかは分かりません。

だけどどの程度の濃度の汚染水がどの程度海に漏れているか分からないので、分からないことをいいことに今のところ見なかったことにしている状態です。そこを調査して報道してしまうと福島県や茨城県の漁師さんが絶滅しちゃうのでみんな黙っています。
http://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/4417/
海外では、「のべの汚染量はチェルノブイリを超えるだろう」といわれています。チェルノブイリでは、とりあえず封じ込めることは封じ込めましたが、福島の場合はまだ封じ込めも終わっていない段階ですからね。
下品な例えで申し訳ないですが、トイレの便器の外で盛大に下痢をもらしたとしたら、これ以上下痢をすることはないけれど、トイレの掃除には取り掛かれていないというような状態ですね。とりあえずトイレの周囲に消臭剤を置いているというような状況です。

投稿日時 - 2015-12-23 17:10:17

補足

回答いただいた内容、特に、のべの汚染量はチェルノブイリを越えるだろうという推測について、異論を述べるつもりはありません。私自身、福島原発付近の環境はやはり楽観視できない状況にあるようだという確信に近い直観を抱いたからこそ勉強を始めたので。

ただ、今回の質問は、核分裂が現在も続いているのか、放射能を含む物質の絶対量は今後も増え続けるのかどうかを尋ねるためのものだったわけで、それについてお二方が「ひとまず核分裂は止まっていると推測できる」と回答して下さったわけでしょう。

そこで、私は、今後、人間の生活圏にどのような影響が出てくるのかは分らないと保留した上で、今以上に「全体の状況」は悪くならないと分かった、と書いたのです。

何か問題がありますか?

投稿日時 - 2015-12-24 05:49:08

ANo.1

[核融合]は起きていません。

元々原発は[核分裂]です。
理論的には、核融合で発電出来れば、もっと安全に効率よく発電が出来ると言われていますが、人工的に核融合を起こすことは出来ていないようです。

ちなみに、核燃料は溶けて、本来の位置より下に落ちていることは確かですが、地下深くに落ちて居る訳でもありません。


まあ、質問はそういう事では無く、原発が発電しているときと同じように、連続して核分裂を起こす[臨界]の状態に有るのかと言うことだろうと思いますが、

もちろん、直接確認した訳では無いですが、
もし、あの壊れた原子炉内で、今も臨界状態であるなら、今とは比較にならないほど、ものすごい量の放射線が吹き出しているだろうと思いますし、ものすごい熱が発生しているはずで原発構内で廃炉作業するどころか、格納容器はもちろん原発の施設そのものも、どんどん溶けて行き、現状維持は不可能で、大爆発を起こしても不思議じゃ無いです。

そういう事が起きていないと言う事は、安全な状態とまでは言えないにしても、ある程度安定した状態を維持していることは確かだろうと思います。

投稿日時 - 2015-12-22 22:40:25

お礼

明瞭な回答をありがとうございました。
初歩的な言葉の間違い、お恥ずかしい限りです。

数ヶ月前に海外向けのニュースで、東電の人が、とても大変な状況だというようなことを明言しておられたのがけっこう衝撃で、一人でぽつぽつと勉強(?)していたのですが、先ほど、行政が森林除染はこれ以上行わないと決断したと知り、不安に耐えきれず質問させていただいた次第です。

ひとまず、絶対量としては、今以上に空気と水と土が汚染されることはなさそうなので安心しました。もちろん、人間の生活圏内に今後どのような変化が起こるかは分らないので、心配の種はつきませんが。

回答していただいて本当にありがとうございました。

投稿日時 - 2015-12-23 08:28:44

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